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「その狙いが実を結ぶかどうかは分からねぇ。……だが、ひとつだけ言える。

俺はあいつのファンだよ。これまでも、今この瞬間も――この先もずっと」

 

キンバリーはかなりの魔窟で、魔に呑まれる事例も珍しいものではない。

とは言え、流石に二年連続で教師が消息を絶つというのは、稀な事例で……

さらにはオリバーの同士が潜り込んでる第三新聞部が、他の教師による犯行だなんてゴシップを飛ばして。ま、元々権力に阿らず、百二十年も続いてる筋金入りのところみたいですけど。

 

教師陣と完全に敵対している「誰か」が居る。それを認識した教師陣も動き始めて。

校長直々に、数名の生徒を尋問する事態まで発展。

学生統括のゴッドフレイも聞かれていましたが、それは実力者であると認めてるためで。

真相に迫っているわけではない、というのは安心材料ですけど。

 

エンリコの研究成果を見た事がある生徒ということで、オリバーとピートまで呼び出されてたりしてハラハラしますね……

あからさまに怪しい転校生が来たりもしてますし、統括が変わる選挙の話まであって、問題の種ばっかりだな。ゴッドフレイ派閥の人に受かってほしい所ですけど、どうなるやら。

 

オリバーがエンリコを打倒するときに使った邪法。

それによるダメージは深刻で……解決後も3日位治療に当てて、辛くも乗り切ったぐらいの状況。

その反動によって、通常の授業にも影響が出ていて……それが、いつかバレる時の切っ掛けになりそうで怖いなぁ。

剣花団の協力によって、最終的には乗り切ってましたが。あの場面は、青春してるなぁと言う感じで、中々尊かった。支払った代償が、大きすぎて怖いなぁ。

 

箒競技で出会った先輩、アシュベリー。

後半は彼女と、かつて彼女のサポートをしていたキャッチャーの話がメインでしたね。

かつて残された、タイムアタックの公式記録。達成者が、魔に呑まれたソレ。

アシュベリーは家系的に、それを上回ることを期待されていて……

最後に残された最速の軌跡が、目に見えるようだった。

 

先輩方がオリバー達に見せつけた、「魔」の姿。その2例目。3巻のオフィーリアを思い出す、恐ろしくも鮮烈で、美しいとすら思えるものでした。

オリバー達の二年生編、その終幕となる巻。さて、続く三年目は、どんな騒動が起きるやら。楽しみに待ちたい。