「覚悟ができてなかったのは……俺の方だ」
再読。
応援として新しい断罪衣の使い手が到着。
どこも戦力が厳しい状況で人手を割いてくれて嬉しいな……で終わらないのが組織の、政治の難しさと言うか。
2年の沈黙を経て、復活した英雄の存在はやはり疑われているというか。情報を得るための手駒を潜り込ませてきたというのが正しい。
まぁ、戦力になるのも間違いはないので、受け入れざるを得ないわけですけど。下手に断っても疑いを強めるだけですし。
……カルロはそういった事情抜きにしても受け入れてた気がしますが。「困った」と言いつつ、結構この状況楽しんでるでしょう。
イザヤを悩ませる要因は他にもあって。
玻璃と〈獣〉の均衡が崩れたのか、彼女とは思えない素振りをする「玻璃」との遭遇は最たるものでしょう。
見るからに怪しい妖女から持ち掛けられた、ある取引。
偽物を、本物にしてあげるというソレを、打ち明けられずに抱えていたわけですが。
条件次第でちゃんと手を貸してくれる辺りが、嫌いに慣れない絶妙な距離感だなぁ。
距離と言えば、イザヤへの対応に戸惑っているノウェムが可愛いんですよね。
終盤「ずっと間違えている」という、彼女の心情の吐露を経ての最後の挿絵が、安らかでいい。
立て続けに厄介な〈獣〉が現れて、状況がひっ迫してる分、日常パートが癒しですね。