「刻一刻と変わる状況の中で、どれだけ早く相手の戦術をつぶして、離れた仲間と連動できるかが勝利の鍵――。僕たちは勝つべくして勝った」
気絶したユウとアインを保護したのは、『魔法使い』こと旋風のクアルダルド。
二人を捕えて何をするつもりかと思いきや……1巻最後で、「気まぐれこそが旋風の本領」とありましたが、割とその場のノリで行動してるな……?
アスラフレームとその装着者は、適正に扱う限りにおいて、侵略者たちに抗しうる鍵となる。そんな重要人物を押さえたんなら、とっとと排除した方が障害なくなると思うんですが。
……まぁそれを言ったらパワーバランスからして、装着者が不在だった期間に人類滅んでておかしくない筈なので、気にも留められてないってのが正解な気がします。
そんな中から、自分たちに届き得る可能性持った存在が出てきたら、ちょっとちょっかいかけるぐらいはするのか。
中盤、水上租界が襲撃を受けるようになったのも、ポータルの主に認識されたから、って書かれてましたしね……
クアルダルドは、ユウとアスラフレームの力に興味をもって、自分が力を注いだ使い魔とどちらが強いのか競わせてみたい、と思っただけ。
満身創痍ではつまらないと回復までしてくれのは、ありがたかったですけど。価値感の違いを突き付けてくる場面でもあって、怖かったですねぇ。
異世界、恐ろしい所だわ……そりゃ賢人も逃げてくるよ、と思わなくもない。
いや、その後出て来た賢人たちも、中々癖があったので、それなりに適応していた疑惑はありますが。
賢人達の齎した技術によって、電力の確保が出来ている水上租界・那由他。
しかし、住む場所を負われた避難者が流れ着いて、簡易住宅の街が出来るようになって。
設備を維持するために、中央部に優先的に電力を回したりしている事情もあるようですが……
エルフの賢人たちと、この世界の人類との間には、深い溝が出来ていた様子。
そもそも、賢人たちの技術がなければ、抗うことすらできていなかっただろうに……とは思いますけど、緊急事態に理性的であれる人ばかりじゃないですからね……
追い込まれて暴言を吐いたり、内乱が勃発したりする有様。
中学生のユウは、そうした人々の醜い面もみたこともあって、色々と迷いを得ているようでした。
オマケに三号フレームの性能が良いもんだから、ユウのメンタルとリンクして、装着出来たり出来なかったりする不調まで起きて。
それでも、いざという時に行動を起こせる彼にはヒーローの素質があるように見える。
支えてくれる仲間がいるから平気だとは思いますが、今後も潰れずに頑張ってほしいですね……
伊集院やアリヤ、なつきにもナノマシン適合者として活躍シーンがあって良かったですねー。
特になつきの活躍する場面での挿絵は格好良かった。
あと某怪獣映画でみたことある、「爆弾」が出て来た時には正直笑った。
しかし、修理のためとはいえ他国に貸与されていたはずのフレームまであるって、人類の戦線本当にヤバいのでは……?
終盤、また別の装着者の存在が描かれていましたし、この後の戦いも激しくなりそう……