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「構わない。お前は、おまえの好きなようにしたらいい」

「はい……!」

 

清霞の父親・正清が抜き打ちでやってきて、二人を久堂家の別邸に招待して。

この機会に美世は、確認の為にある質問をしていました。

「斎森家の娘」に持って来られた縁談。求められていたのは、妹の方だったのではないか……という疑念。

 

正清が隠すことなく、事情を話してくれたのは良かった。

調べた結果、娘が二人居るのは知っていたし、美世が来る可能性も考えていた、と。

あまりにも息子が結婚しないものだから、誰が来るかどう転ぶか分からない縁談に賭けてみた、と。

明け透けすぎる物言いではありますが。結果として丸く収まったのは良かったし、正清の方も息子の変化を感じ取って、君が来てくれて良かったと受け入れてくれたのには安心した。

 

けれど屋敷を訪問した際に出会った清霞の母親は、美世を絶対に認めないと宣言して。

清霞や葉月の反応から、癖の強い人なんだろうとは思ってましたが。

まぁ歯に衣着せぬ人で美世に欠けているものをバンバンいうし、貴女には使用人がお似合いよとお仕着せ着せようとするし。

 

美世は、とやかく言われるけど手は出してこないんだと感じ方ずれてるし、お仕着せも受け入れるし。

……いや、過去の扱いを想えば優しい扱いですけどね。

ただこれまでの彼女と違うのは、言われっぱなしじゃなくて、義母に認めて欲しいと思って自分から行動を起こすようになっていて。成長が感じられます。

 

若奥様と呼ばれたり、清霞と出掛けた先で新婚さんだろと誤解されたり。

気落ちするばかりではなく、可愛い和む場面もあります。

特に美世がもどかしい思いを抱いて改善に励んでいることを、清霞が気づいてフォローするような事を言った場面は見ものでしたね……

 

近くの村で広がっていた鬼の噂。その裏で蠢く組織と、首魁の存在。

謎が多く残された状態で、最後見るからに怪しい奴が現れたところで終わり。
4巻が楽しみです。