「もう少し――矢野君はぼんやりしてみてもいいんじゃないかってこと。決めるべきときがくれば自然にそういう風になると思うし――それまでは、あまり焦らない方がいいんじゃないかな」
二重人格の入れ替わり時間。
段々と短くなるはずのそれが、近ごろは固定されていて。
二人はそれを、自分を同じだけ肯定できているからじゃないかと推測。
矢野が、それぞれに惹かれているのが分かるのが大きいとか。
それゆえに矢野は「二人に同じだけ恋をする」と言う約束を交わして、片方とキスをしたならもう片方とも……とバランスよく交際していくわけですが。
彼女たちが、矢野に対しておねだりするのが上手いというか、ガンガンアピールしてくるからな……
二人とも可愛いんですが、少し落ち着いて欲しいというか。
ちょっと前まで不調を期待していたように、矢野君あまり器用なタイプじゃないというか。
悩み始めたらどんどん墓穴を掘って行くように見えるというか。
まーた矢野君のメンタル耐久テストが始まってるよ……みたいな考えが読んでる最中頭の中グルグルしてた。矢野君のライフはほぼゼロよ……
想い人との関係だけでも悩みはつきないのに、進路希望調査まで始まって。
他の友人たちはそれぞれ目指すものがあって、自分のままならさばかりが目について。
なかなか悪い循環に入っていましたけれど。
職場体験で縁が出来たある人物にアドバイスを貰ったりして、少し前向きに慣れたのは良かった。
それが野々宮さんだっていうんだから、岬先生の他作品も読んでる人にはたまらない演出になってるんだろうなぁ。
失恋探偵、1巻だけ読んだ後積んでたような……あ、ちゃんと3巻までは買ってるんです……読まなきゃ……