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「だけど、そのときは姫柊が俺を止めてくれるんだろ?」

(略)

「はい。わたしはそのための監視役ですから」

 

シリーズ、ついに完結。

9年以上続いた長編の終わりはちょっともの悲しいですねー。

まぁ、元々明かされずに終わる想定だった裏設定まで吐き出しての完結なので、大団円と言っていいのでは。

古城陣営の面々も(ほぼ)フルキャストで出演してますし。ページ数の問題でカットされた場面もあるようですが。それでも400P越えてる、普通に厚いラノベになってます。

 

異境を制圧したシャフリヤル・レンは、封じられていた眷獣弾頭という兵器を手に入れて。

全てを使えば地球を三度滅ぼして余りある、なんて敵側は謳っていましたが。

真祖クラスの眷獣を封じた弾丸とか、災厄にも程がある。実際、聖域条約機構軍も一度は壊滅状態に追い込んで撤退させてましたしね……

 

おっかないにも程がある平気でしたが、敵が忘れてはいけなかったのは、それが咎神カインの遺産であったこと。

封じただけであったら、絶対に探す者は現れる。ならば、それすらも踏まえた対処を考えておかねばならない。

そこまで考えて実行して。現代において結実したんだから、大したものです。中々の綱渡りでもあったように思いますが。古城が第四真祖になったのも、運命的に思えるな。

 

最終巻であっちでもこっちでも吸血してて、さすが吸血鬼の真祖……って感じでした。

妹の前で、妹の親友から血を吸うのには躊躇するのに、自分が傷つく手を迷わず選ぶ辺りは彼だよなぁ、というか。うん、あそこで吸血する他なかったけれど、うん。一回と言わず殴られろ。爆ぜろ。

 

またしても絃神島が狙われそうになり、奔走しそれを回避することとなっていましたが。

「異境への門があるから狙われるんだから、要石破壊しちゃおう」を味方側がやろうとするのには吹いた。

最終巻でまで内ゲバすんなや。なんとか解決してましたけど。

雪菜がまた色々と悩んでいましたけど、いくらか吹っ切れたように見えるのは良かった。

 

古城は「こんな時でもないと言えないから」とか言わず、もうちょっと積極的になっても良いと思う。

……が、夏音や結瞳が頑張ってくれたお礼に大人のデートする約束させられてる辺り、もうしばらくヘタレでもいいよみたいな気分もある。

 

あと、戦場が異境になった時点である程度は予想出来てましたが。

やっぱり出てきましたね、戦闘狂。来そうな気はしていたよ。

解決後にとった行動も、そこから派生した未来予想も全部こなしてきそうな変な信頼がある。

最初から最後まで、シリーズの空気が一貫していて楽しい作品でした。

完結お疲れ様でした。新作も楽しみにしています。