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「俺は今でも頼りないですか?」                                                          

 

積読消化。

その美貌と才能をもって、多くの人を魅了する歌姫。

彼女達を管理するマネージャーとして奔走する、野崎忠哉はある日自分をトップ・ディーヴァにしろと訴える美少女と遭遇して。

その熱量に影響をうけて、自分を彼女の担当にしてくださいと名乗り出て。

 

採用試験を受けるためにレッスンの予定を入れて、不合格だった場合、費用は彼の給料から天引きと言う条件でしたが。それを受けた野崎もスカーレットも、中々に肝が太い。

スカーレットの真っ直ぐさに影響されて、自分も大きな目標を掲げる辺り、割と似た者同士なんでしょうね……

 

日本人ながら、わずか三年で異国の高級劇場で幹部になってる辺り、才能はそれなりにあるんだろうなぁ、という感じ。

客の顔とか言語とか道路とか。優れた記憶力に任せて、色々と詰め込んだ結果のようですけど。覚えるだけじゃなくてそれをしっかり活用してるんだから、やっぱりスペックそこそこ高いよなぁ……

人の顔覚えるの本当に苦手なので、そこは正直羨ましい。

 

最も、ここで務めるようになった原因は、誰かに麻薬の運び屋に仕立て上げられて、命が危うくなり逃げ出したから、な辺りとか。

中盤、うっかり重大な秘密を知ってしまった時とか、未熟な部分もありますけど。

あと覚悟を決めたら引かないので、危険に飛び込んでいくあたりもハラハラする。

 

各国のVIPとの交流を持つ、夜の蝶としての顔も持つ歌姫。

そんな彼女たちの悩みを解決しようと踏み込めば、闇が深い案件に触れるのはある意味必然なんだよな……

自分の仕事に誇りを持って、意地を貫き通した姿は中々の見ものでした。

あからさまに怪しい奴が、そのまま黒幕だったのは、まぁ分かりやすくて良かったかなぁ。