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「だから、過ぎたことは忘れちゃえって言うの!?」

「覚えていてやれよ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

キャンペーン追加タイトルで、期間は1130日まで。

 

作者逝去後に出された、シリーズ最終巻となる巻。

執筆途中の『風の聖痕7』の冒頭部分も巻末に収録されています。まだ文章を練っている途中で、句点じゃなくて読点で終わってるのがリアルで、無情さを感じた。

絶筆だと知っていたのに、「あとがきにかえて」以降のページ読んだ時、泣きそうになりましたからね……

 

表題作「ヒミツのカンケイ」は、学園一の美少女とされる綾乃の周囲に居る男に目を着けて取材しようとするパパラッチの話。

学園の新聞部ではあるんですが……随分と個性的と言うか、本当に変わったキャラばっかち集まってますな、あの学校。

 

和麻の自宅を訪問しようとする「綾乃さんのお宅訪問」も、簡単なお使いだろうとそうやすやすと終わらないよな、というか。

見事に彼女が足を踏み入れたタイミングで騒動に遭遇するんだから、もう……

 

しかし今回のメインは「風の聖痕NOIR 炎の喚び声」と題された作品でしょう。

わざわざ「NOIR」と付けているのはなんでなんでしょうね。ドラマCDとかからの逆輸入とかでもなさそうですし、ちょっと分からなかったですが。

人体発火現象が多発してるため、捜査依頼を出された綾乃と和麻が犯人を追う話……というと語弊があるな。

 

いつもの通り、和麻の方は話を聞いた時から大体の事情に察しがついてるようでしたし。

取り越し苦労で会ってほしいという彼の願いは叶わず……わずかな救いだけが残る、ビターな結末となっていましたが。

コミカルな短編が多い中で、シリアス寄りの展開になってて、これはこれで面白かった。

 

魅力的なシリーズをありがとうございました。

ご冥福をお祈り申し上げます。