「君まで死んだら元も子もないだろう」
「あいつが死んでも元も子もないんだよ!」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。
静寂を生み出す鏡や、もう一人の自分を作りだす仮面など。
今回も多様な『アンティーク』が出て、多くの人が振り回される事となるわけですが。
その力によって、大抵は不幸になる様子を見せられると、店主の都和子さんが、『アンティーク』を収集しつつも、それを他人に売ろうとしない意味が良くわかりますね……
鏡を求めてきた作曲家も、目に執着した占い師も。
『アンティーク』に出会わなければ、あそこまで踏み外すことも無かったんじゃないかな、と思いました。
切っ掛けは何であれ、犠牲を生じさせてしまったので、同情の余地は基本的にありませんけど。作曲家の方は、もう少しだけ周囲を見られていれば、違った結末あっただろうなぁ……哀れに思う。
刻也が運命に対して、変な気負いを得てしまったのが良いのか悪いのか。
第四章の「化粧」は、咲と刻也がメインの話。
時間の経過を映す『アンティーク』を切っ掛けに、化粧に手を出した咲。
刻也は図書室で本を借りて、彼女に協力しようとか思ってましたが……うーん、この二人は絶妙に噛み合わないな!
相手の事を気にしているのは間違いないなのに、絶妙に拍子がズレてる。ボタンを掛け違えたまま外出してるのに、誰も指摘してくれない感じというか。
回りくどい子とせずに、もうちょっと言葉を尽くそう、という気分になる。見ている分には微笑ましくもあるんですけどねぇ。