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「帰ろう ね」

「家に帰ろう」

 

珠世さんの、倒すために自分が強くなるのではなく、相手を弱くすれば良い。

この台詞から最終巻始まるのが、中々新鮮ではありますね。

生きる為に手段を選ばない相手を殺すため、手段を選ばない。そこまでやって、なお生き延びている無惨の生き汚さを想えば、大正解何だよなぁ。

 

無惨が柱達の抵抗を、赫刀を使っても効くはずがないとか言ってますが、縁壱とかいう後世にまで残る傷を与えた怪物を基準にすると、それはそうとしか言えないのが凄い。

追い込まれて、神経を狂わす衝撃波を発していましたが……初手からその血鬼術使ってれば、逃げおおせたんじゃないかなぁとか思うなどした。

まだ切ってない手札もあったでしょうけど、温存したまま死ぬ辺りがあまりにも無惨様クオリティ。

 

血鬼術なら、日輪刀が効くんじゃないかと自分に刺す炭治郎もさすがの根性と言うか。

誰も彼もがこの最終決戦で、出来る事をして足掻き続けていたのが、流星のように煌めいていた。

善逸が足を負傷しながらも奮闘したり、声かけを続けていたりと、臆病の虫がどこかにいったかのような活躍をしていて格好良かった。戦闘後は泣きごと言ってましたが。

彼らしくていいんじゃないですかねぇ。

善逸に限らず、誰もかれもが、自分らしさを貫いた結末だったのではないでしょうか。

……それが、鬼殺隊隊士としての「らしさ」であったとしても。

 

岩柱、蛇柱・恋柱の結末、風柱たちの治療風景など。

事後処理に入るんだな、というしんみりした空気をぶち壊してくるんだから、無惨様の置き土産が凶悪。

足掻き続けて、なんとか少しでも良い結末に辿り着けてほっとしてます。

最後の柱合会議で、義勇さんがちゃんと水柱っぽくなってて、言葉を尽くせているのがこれまでの騒動を思うと、成長感じられて良い。

 

そして最終回。本誌で読んでいましたが、なんか補足が多いというか、加筆により更に魅力を増しるように思えました。

あとがきがきとして、袖に書かれていたメッセージも尊い。

「何百年も前の出来事も、その時は今でした」から始まるメッセージに、元気を貰えました。素敵な最終巻だったと思います。