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「いやー、笑った笑った! こういうのが見たかったんだよ!!」

「それに振り回される現場のことも考えてくださいよ……」


VRMMOモノで、WEB未読。フォロワーからのオススメの一冊。

以前にもオススメしてるのを見たかなんかで、購入だけはしていたのを読了。

実際オススメして来るだけの事はあるというか、一気に読んでしまうくらいには満喫したので、もっと真面目に積読を崩すべきだと思いましたね……。

 

華族の家に生まれた主人公、一条玲奈。

しかし彼女は「普通」の感性が分からず、父からも距離を取られていた。

母親は愛を注いでくれていたものの、病いで既に亡くなってしまって。孤立しているといっていい。でも、孤立してること自体にはなんの感慨もないんですよね、彼女。

 

常識とずれていることを指摘してくれていた指標が、なくなってしまったために自分の中の異常と折り合いをつけにくくなることの方が死活問題だったそうで。

実際、アリの巣に水を入れるような子供らしい残虐さを、人に向けてしまう「遊び」をしてしまう「異常」は社会で生きるのに致命的すぎるんですよね……

 

そんな彼女が、折り合いをつける為に手を出したのが『カルマ・ストーリー・オンライン』。

プレイヤーにカルマ値が設定され、ゲーム内での行動によって変動。最終的には秩序、中立、渾沌の三勢力に分岐することになるようです。

さらに、重要NPCだろうと殺すことが可能とさらに仕様上NPCは復活しないため、自由度は高いもののプレイヤー達の倫理観によって、ベータテスト時代から環境は秩序寄りだった模様。

 

そして玲奈が選んだのはもちろん混沌ルートで、プレイ初日からカルマ値が減る凶行を開始。

プレイ開始早々に、人気のあるチュートリアル説明NPCを殺害。プレイヤー達が混乱している隙をついて更にNPCのキルスコアを増やし、勇敢にも立ち向かってきたPCは自身のプレイヤースキルで撃退。

他にも多くの騒動を引き起こし、掲示板でジェノサイダーちゃんの異名を頂戴する事に。

 

いやぁ、他人事なので正直ゲラゲラ笑ってしまった。あそこまで徹底して悪役プレイされると逆に清々しいです。

とは言え、予定していたイベントが潰れた開発の方々の苦労とか。振り回されることになるプレイヤーの方々のことを思うとちょっと目に涙が……。