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「うんうん。順調だね」

(略)

「じゃあ、戦争を始めようか」

 

2巻だと、概ね3つのパートが描かれています。

1つは蜘蛛子のダンジョン探索。1つは高位の貴族などに転生した転生者たちが集った学園パート。もう1つが、勇者と魔王のエピソードですね。

 

蜘蛛子は、上層に帰還するべく着々と成長していますね。

中層がマグマで満ちている上、火で攻撃してくる敵がおおく、子もにとっては大敵と言っていい場所で。それでも火耐性とったりして、出来る事を増やして竜すら撃破してるのは正直笑った。成長ぶりが著しい。

ただ、その傍らで都合が良すぎると言うか。あからさまな手心を加えられた場面なんかもあって、世界の怪しさが増すばかり。

 

学園パートは、概ね平和ではありますね。

一人転生時に性別が変わっていて、もう一人は竜種になっているという影響こそありましたが。3人で和気あいあいとやってたシュンたちが、かなり平和だったというのが良くわかります。

再会してみれば先生は秘密主義ではぐらかしてくるし。1人は宗教に染まってる。そして1人は、転生チートの影響からか不遜さに磨きがかかっている、と。

当然、そんな状態で穏やかに時間が進むはずもなく。トラブルを起こしていましたが……ユーゴーの行動が、行き当たりばったり過ぎる上反省もなく、ちょっと引く。

 

勇者パートと魔王パートは、現状だと蜘蛛子たちから遠く見えるんですよね。

ただ、勇者がエルロー大迷宮で「悪夢の残滓」と呼ばれる蜘蛛型の魔物と戦ったり、魔王が人に宣戦布告して、配下が勇者と戦う場面があったり。

蜘蛛子と学園パートに比べてスケールがデカくて、この世界ヤバいな……ってのが突き付けられます。

その戦いの結末が、王子である転生者にも波及するんだから、本当に容赦がない。