「実際どこかの騎士団の志にゴブリン道なんてものもあるらしい」
「どんな道だよ。いや、なんとなくわかるけどさあ」
「ゴブリンのように生きることと向き合い、ゴブリンのように己を磨き、ゴブリンのように気高くあれ」
「どう考えてもゴブリンじゃないだろ」
13巻と14巻の間に発売された、設定&購入特典SS集。
そこまでのネタバレも含有しているので、読むタイミングには注意。
SSは1~9巻特典として書かれたものに加えて書き下ろしも3本収録。
設定に関しては「エルロー大迷宮」、「学園」、「エルフ、神言教」、「魔族軍」、「イラスト集」、「人魔大戦」、「他転生者達」、「人気投票」と「馬場翁 一問一答インタビュー1~3」が収録されています。
で、各ジャンルの設定・イラスト等の後に関連SSが掲載されている形ですね。
キャラ紹介のイラスト部分とか一部カラー入ってて、こういう見せ方好きです。
エルロー大迷宮のSSでは蜘蛛子が糸をアレンジしてる話と、最上級の素材になる粘着性を失わせた珍しい糸の扱いとかが好きですねー。
あと、中層に踏み込んで撤退する事になった冒険者の話とかも良いですよね。マグマに満ちたフィールドは人類には早すぎたんだ……。
というかこの中層探索の有様と、下層の高レベルモンスターの跋扈っぷりを見るに、下層に行って生き返ってきたのが僅かながらいる方が信じられん。どんな運だ。
学園のSSでは、この世界でのゴブリンについての転生者達のトーク。
ゲームにおいては雑魚扱いなモンスターだが、こちらの世界では危険度がやたら高い存在になっているとかで。それにしてもゴブリン道まで出てくるのは笑う。
システムがある世界での女子の必須スキルの話とかも、この世界ならではの味があっていいですよね。
魔族軍のSSでは、食欲からキノコの魔物と戦っている話とか、パペット四姉妹のSSが好みだった。
あとは他の転生者たちの紹介。どんな性格の子だったのか、とか転生時にDが授けた固有スキルについてとか。Dからのひと言、何てのも添えてありますね。
エルフの里に隔離されていた転生者達の情報はさっぱりだったので、こうやってまとめて見られるのは嬉しい。設定開示大好き。
固有スキル、各々の性格とかに適したのを渡してるときもあれば、忍って名前だから「忍者」で良いでしょうとかいう雑さも混じってて、気分屋なDの仕事だな……って感じがします。
転生させるまではするけれど、幼少期に排除されるのも止めない辺り、本当に面白さ優先ですよね、D。まぁ、そもそもシステム敷設すらその一端ともいえますけど……。
そして転生者SS。エルフの里の面々の様子も少し明らかになりましたが。……なんで女子が腐教されてしまってるんですか……。