「死んだら許さない。魔王が死んだらその瞬間この世界の事なんか見捨ててとんずらこくから。私にそんな無責任な行動させないためにも、絶対生き残る事。わかった?」
Sシリーズで断片だけ描かれていたエルフの里の攻防。
ついに本編の時間軸がそこに追いつくこととなりました。
最悪のエルフ・ポティマスを滅ぼすべく人と魔族が手を組んだ! 夢のタッグチームや!
……まぁ、事情把握してるの各勢力のトップくらいで、現場のユーゴ君とか白に洗脳されてるんですが。
エルフ相手の大戦争がメインで、合間では魔王やギュリエ、ポティマスの視点から、この世界が反映していた過去の断片が語られるわけですが。
いやぁ、本当にだいたいポティマスのせいじゃん。なんだあのマッドサイエンティスト。早々に排除しておかないとヤバい奴じゃん……。
Dの手によってシステムという枠組みが作られる前から、好き勝手してたのが良くわかるエピソードでありました。
それに振り回された人類はご愁傷様。甘言にのってMAエネルギーを浪費したあたり、いくらか自業自得な部分あるとは思いますが。トドメさしたのは龍だしなぁ……。
禁忌で得られる情報が、この辺りの関連なんですよね確か。そりゃあ知ってしまった以上は、影響を避けられないだろうなぁと言う感じ。
ギュリエに対して白の当たりがキツいのも、ちょっと納得してしまうくらいには、彼もはっきりしないというか。優柔不断が過ぎる……。
先生以外のエルフは殲滅する、と決めた白ちゃんの暴れっぷりが素敵。
転生者の保護もするけど、顔を合わせることなく異空間へボッシュートしてるのは笑わずにいられなかった。余りにも早すぎる。地の文にして2行ですよ。
そして、仮想敵としてギュリエを想定していただろうポティマスの備えも明らかになっていましたが。
お前、ポティマス、お前……!! 白ちゃんをして「ごめんよ、この世界に生きる諸君。君らは頑張ってた」と思わせてしまう程エネルギーを浪費しやがって!!
そもそもエルフの里に敷かれていた結界もそうだし、上位龍にすら抗える戦力を量産するんじゃないよ!!
でも、今回ばかりは相手が悪かった。神としては若輩だろうと、白ちゃんかなり反則的な手合いだからなぁ。
システムを破壊する最終段階において、ギュリエとは道を別つと判断していて、その時の為に切り札を伏せておきたかった白ちゃんに、それを使わせたのは褒めても良い。
因縁のある魔王にとどめを刺して貰えたんだから、マシな最期だったんじゃないですかね。
……そしてポティマスが死んだってことは、共通の敵がいたからこそ手を組めてた神言教との対立を意味するわけで。
WEBとは細部が変わりつつ、最終局面に入ろうとしているのは変わらないわけで。続きが楽しみです。