なんて不器用なSOSだろうか。素直に快調化姉ニデモ助けを求めればいいのに。それが出来ないから、いつまで経っても一人なのだ。そんなのだから……
【誰か、助けてよ……】
どうしても、放っておけないのだ
分類的には、小説家になろうからの書籍化作品になるんですかね。
大本が短編で、書籍化に当たってキャラ入れ替えてるんですよ。WEB版は読んでます。燦々SUN先生は、笑える短編を多く書いてる方なので、気になった方はどうぞ。
閑話休題。
で、この作品は短編番から「主人公がロシア語が分かるけど、それを知らないヒロインがロシア語でデレて来る」というメインテーマだけ拾った再構成版になってます。
ももこ先生の描くヒロインが可愛くて良かった。表紙絵もロシア語を零しながら口元ゆるんでるアーリャが可愛いんですよね。
周囲に伝わらないようにこっそりデレてる、というシチュエーションが美味しい。
主人公はロシア語が分かる事を伏せているたたために、密かに悶えたり頭抱えたりしてますけど。そのくらいの苦労はしろ。
生徒会に所属して眉目秀麗なこともあって注目されているアーリャ。
告白も断り続けているし友人も少ないしで、孤高のお姫様なんて呼ばれたりもするようですけど。
生まれ持った容姿を磨くことも、学年トップの学力を維持する事も。彼女は、できるならば上を目指す向上心に溢れた子です。
それ故に周囲と歩調を合わせるのは苦手というか。幼少期に不和を招いたことが合って、なおさら一人であろうとしてしまう、不器用な所もあるようで。
「お姫様」と変に崇める事で、他の生徒たちの方が距離を作ってるように見えるのは悲しくもある。アーリャもその呼び方には思うところあるようでしたし。
そんな孤高な彼女が、唯一と言っていいくらい気にかけているのが、隣の席の政近君。
彼女とは魔反対と言えるような不真面目さで、成績も低め。けれど、中学時代には生徒会副会長を務めた事もあり、やる時はやってくれるキャラです。
アーリャが彼を気にするようになった理由づけも描かれていましたり、政近が不真面目を気取っているのにもわけがある。
書籍化に当たってしっかりブラッシュアップされているように感じました。
周囲のキャラも魅力的な子が多いし続刊も決定しているようですから、続きを楽しみにしたいシリーズ。