「あたしたちは、――あたしたちをもうこれ以上殺させない。止めてやる。こんなバカみたいな戦闘も、あたしたちを縛ってるこの戦争も!」
頼もしい仲間出会ったセオは、腕を失い戦えなくなった。
他のエイティシックス達にも被害は出ていて、海上戦闘だったこともあり遺体の回収が出来なかった者もいる。
そうした喪失や停滞といった心の傷についても、しっかり描いてくれるのが信頼感ありますね。どうしたって重くなってしまいますけど。
絶望の中でも前に進もうとする人は居るのだと描いてくれるのは、尊くて眩しい。
人死にも多い、暗くなりがちな作風なのに要所で笑えるネタ仕込んでるのはいいですよね。息抜き出来る。
42Pの種類によっては原生海獣を食べるというトーク中にあった地の文「レーザー撃ってきたが」が個人的にはツボ。
あと大きいのは、口絵でも描かれていましたが。ついにレーナがシンに告白。
セオの負傷などを受けて、シンもショックを受けていたようですけど。そんな彼に「頼ってください」と言えて、お互いにそれを許せる関係は素敵です。
その後の戦場におあっても、気安いやりとりしてましたしね。いちゃつきやがって。もっとやって。
クレナの思いについてもしっかりと結末を描いてくれたので満足しております。
そして、電磁砲艦型が逃げたと思しきノイリャナルセ聖教国から、救援要請が入ったこともありシン達が派遣されることに。
「狂国」と呼ばれているとかで、色々と注意もされた上で赴いていましたが……終盤明らかになった事情を思うに、正しい警戒だったな……。
今回もまた厄介な戦争ではありましたけど。
血を流した分の、大きな成果を勝ち取ることが出来たのは良かった。
多くの戦場を超えて、シンの覚悟も定まってきてるようですし。反撃が、上手くいってくれることを今から願わずにはいられない。