「だって……遠くだと寂しいじゃないですか」
サブタイトルと表紙で、察しの良い人は大体何が起きるか分かりそうな雰囲気。
どストレートにそのまま出されてきますけど。それが良いんですよね……。
付き合い始めたけれど、それを周囲には隠している簾と理華。
絶対に隠すと決めているわけでも無いけれど、わざわざ公表するような事でもなくて。
簾の交友範囲が狭いこともあって、二人の交際は現状ではバレていなかった。
そんな折に、修学旅行の時期となって。
簾は実行委員会に所属していたので、準備に駆り出されることに。
珍しいな、と正直思いましたけど。去年は掲示委員会に入って、年中忙しかったから、イベント1回で終わるのに方針を切り替えた、と語られていて、ブレなさに感心してしまった。
連絡事項の都合上、男女1名ずつ選出されることになっていて。去年も同じクラスだった(簾は忘れていたけど)女子が、なぜか簾に近づいてきて。
一緒に委員会の仕事をしている場面とかを、理華も見ることがあって。
ヤキモチを焼いているのが、可愛かったですね。読者目線だから言えることですけど。
当の二人は、まだまだ恋愛初心者で。対応を誤って、ギクシャクしたりしてしまう事も。
それぞれの友人が気にかけて励ましてくれたり、外から見ていた分気付けたこともあった筈でそれが出来なかったな、なんて反省までしていて。
それだけ親身になってくれるのは得難い縁だと思うので、大事にするといいですよ。
最終的には、収まるべきところに収まるので安心してお読みください。
イチャイチャも含有してるし、特に自分の「好き」がどんどん大きくなって御しきれない理華が可愛かったですね。