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「……で、ご用件は?」

久しぶりの市立高校シリーズ!
……久しぶり過ぎて、キャラ把握しなおすのに若干手間取りましたが面白かったです。
まずは初手で思いっきりパンチぶち込んでくる目次が笑えて好き。
あれ? 私が読もうとしてるのは市立高校シリーズの新刊だったよな? って思わずタイトル確認しなおしましたよ。

柳瀬さんの卒業式が近づく中、葉山くんはまた不可解な現象の調査をすることになって。
友人の手を借りて情報を集め、伊神さんが真相に迫ろうとするのはいつもの流れです。
ただその合間に、十二年後の未来の話と、作中で彼らが調査している事件に類似した内容の小説パートが入るので、目次が不思議な事になっていたわけですね。

「未解決」のままで終わった、と言う「兼坂さん事件」。
今回事件の裏側には、いくつもの「嘘」が張り巡らされていて。
人間だれしも、その場に応じた最適解を取れるわけじゃないからなぁ……とか思いましたね。
嘘を吐くのは簡単でも、吐き続けるのは難しいとも言いますし、区切りをつけられたのは良かったんじゃないでしょうか。

区切りと言う意味では、葉山君が柳瀬さんに告白できるのかどうか問題もありましたね。
折悪しくこんな事件の調査をする羽目になって、タイミングを逃しまくっていましたが。それを抜きにしても葉山君が自信を持てず足踏みしていた所ありますからね。
最後、背中を押してもらえなかったら危なかった事でしょう。

未来の章でのお相手、葉山君はほぼ確定だと思いますけど、三野の方は誰なんだろう。
かなり綺麗にまとまってましたが、シリーズ完結と言うわけではないそうなので、また気長に待ちます。

あと、伊神さんが事件の調査に乗り出してくることの理由付けもされてましたが……それがなくても踏み込んでくるでしょ貴方は……。