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「もとより私は私自身を一生、許すつもりはない」

(中略)

「この先の人生を、この罪とともに生きよう」

 

BOOKWALKERにて再読。この3巻が、好きなシーン多くてシリーズで一番好きですねー。テロ起きたりして相変わらず、

小槙の従姉妹・いるるに連れられて、渾沌の街・アウルスを訪れた祥。

「簡単なバイトをしないか。ここから1キロと歩かない」と言って飛行機に乗せて連行するのは詐欺の手口では……? 同行する羽目になった小槙も愚痴ってましたが。

 

アウルスは、今は亡き果須田裕杜からの技術提供を受けて様々な改革が行われた都市だった。そして、渾沌の街と呼ばれるだけはあって、三人はそこで行われている「人体改造」実験に鉢合わせる事に。

そんなものが国家プロジェクトになってるとか、世も末だな……って感じはありますね。異国の地で完全アウェーなのもあって大人しくしてますが、いるるが憤りを示してくれたのは良かった。

 

いるるは不本意ながら実験を手伝うことになり発表前に「バレなかったらラッキーだ、黙っとけ!」とかやって報告書纏めてるシーンは笑えて好き。

ただ、そうやって働いている中で成果を吸収してある形にまとめ上げたことには賛否あるかもなぁ。それを罪と理解して、飲み干す覚悟も示してくれたので好きですけど。

 

祥と小槙は、適当に観光をしつつ巡り合った相手とデートしたりしていますが。

彼らが問題に巻き込まれない筈もなく。特に祥は、テロ現場に遭遇して犯人を取り押さえようとかしてますしね……無茶するわぁ。

一回してやられた後、反撃してやろうとするあたりが彼らしい。

小槙さんは相変わらず悩んでうじうじしてますけど、それでも少しずつ選択ができるように変わって来てるのも感じられて良いですねー。この二人だと「自分のルール」について話してるシーンが好きです。

 

「どこから拾ってきたん?」

「そうそう、拾ったから交番に届けて一割貰ったのさ……って、アホかー! 拾いもんじゃねーよ! 拾得物横領は犯罪です!」

 

って、ちょっとふざけた後、「誰だってもってんだよ、自分のルールなんて」と小槙の背中を押してるのが良いんですよ。

その後、クライマックスに「どっちへ行きたいんだ?」と選択を委ねて、分かれて行動する場面も良いです。肝心な所で別々なところにいるけど、助け合えるコンビが好き。