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「美しく在りたいんだ。あの日見た月のように

いつか本で読んだ、ふたの開かないラムネの瓶に沈んだビー玉みたいに」

 

このラノ2021文庫部門1位の作品。

それを切っ掛けに買ってはいたんですが、積んでて……最近読みました。

1位をとってもおかしくない面白さはありましたが、同時に「正論」がうるさく感じてしまうような場面もあって、これが人気でるんだという驚きも感じましたね。

 

綺麗処の女子と一緒に俗に言う「リア充」グループに所属する千歳朔。

彼は、学園裏サイトとかで悪口を書かれまくってる常連で。彼の傍にいる女子はもう餌食になってる、とまで言われてるとか。

目立っている分の苦労もあって、他のグループから絡まれたりとかもしてました。さらには担任から無茶ぶりもされて。

 

学級委員の仕事に引きこもりを連れ出すのは含まれないと思うんだよなぁ……。でも、朔はそれを引き受けて、暴言を吐かれながらも繰り返し訪問して。

閉じこもっていたクラスメイトを引っ張り出したのはお見事でした。山崎君、風評を鵜呑みにして当人たちに直接ぶつけてたのは正直いい気分しなかったですけど。

たるんだ身体を戻すためのトレーニングを実践して、トラウマの克服にも挑戦して、なんとか好感度トントン位にはなったかな……。

 

千歳は、リア充グループに属してるだけはあるというか。彼なりの理想があって、それに向かって迷いなく進んでいく軸を感じるので、結構好きな主人公ですね。

真面目一辺倒だけじゃなくて、時に無茶も出来るしノリも良い。女性陣も可愛いキャラが多いんですが、それぞれに見せてる顔が違って、どのシーンも楽しかったです。


……山崎君を引っ張り出すときにラフメイカーやってたのは無茶が過ぎると思いましたが。ちゃんとお母さんに断りを入れたのは偉いね。問題はそこじゃねーんだわ。

荒療治にも程がありますけど、結果的には良い結末に辿り着いてるから、めでたしめでたしで締めてもいいんじゃないでしょうか。
イラストで言うと、優空とか悠月が好きですねー。とりあえず悠月が表紙になってる2巻を早めに読みたいところ。