あの日守れなかったものを、もう一度守る機会が欲しかった。
『とってもカワイイわたしと付き合ってよ!』と本作とで、大賞を同時受賞と一時話題になった気がします。
あちらはラブコメ、こちらはファンタジーと毛色が違いますがどちらも安定している作品だ、と言う印象を受けましたね。
神々が残したとされる空に浮かぶ遺跡。そこに挑み、物資や技術を持ち帰る騎士団やそれに助力する傭兵が居る世界で……「騎士もどき」と呼ばれる変り者の傭兵が居た。
大規模な作戦を実行する騎士団が、彼を雇い……生真面目な副団長の傍に置くことで彼女の成長を促そうとして。
飄々としてるアインと気負いまくってるアリアのコンビは、見ていて中々愉快でしたね。
アインが大口をたたいているように見える場面もありますが、それに見合った実力と実績があるのが良いですね。
……それだけの実力を持ちながら、騎士団に所属することなく。宵越しの銭は持たないとばかりに遊びほうけているのには理由があって。
それを知った時には、衝撃を受けましたねぇ。普段ふざけているキャラが抱えている重たい過去とか、大好物です。
故あって死に場所を求めていた傭兵に感化された、アリアの行動も尊かった。
最後の助かり方はあっけなかったというか、唐突感はありましたが。人生いっつも劇的な事があるわけでもないですしねー。……ハズレと思っていたモノが、驚きの効果を秘めていたという辺りは充分に劇的か。
今後もワイワイ騒がしく、これまでよりも前向きになってくれそうな終わりで良かったです。