「生きると誓え。皆もだ。絶対に死なないと剣に誓え。誓えないならば誰も向かわせない」
王太子だった長兄が亡くなり、次期皇帝の座を争い合うことになった12人の兄弟姉妹。幼さや本人の気質によって、その争いに参加する気が無いものも居ますが。
主人公のアルノルトは、出涸らし皇子と呼ばれ蔑視されていたが……双子の弟であるレオナルトは人を引き付ける魅力を持っていた。
それ故に、彼を次期皇帝に担ぎ上げようとする動きも出て来て。2人は帝位争いに参加せざるを得なくなってしまった。
彼ら以外の有力候補三人は帝位争いの中で苛烈さを増しており、対抗勢力であるアルノルト達が生き延びるため位は、皇帝位を掴むしか道が残されていなかったのだ。
勢力図がある程度固まりつつある中、未だ旗幟を定めていない公爵家に接触。無能を装っているアルノルトのもう一つの顔、SS級冒険者シルバーとして彼らの悩みを解決する事で、味方につけていました。……マッチポンプな演技もありましたけどね……。
サブタイトルだと、「暗躍して支配する」みたいな書き方で実際暗躍してますけど、精力的には弱小なアルノルトは結構頻繁に綱渡りしてる感覚になりますね……。
うっかりで隠匿していた「シルバーの正体」というカードを、公爵家の娘に気付かれてしまったりもしてますし。出来る範囲で足掻いて、良い結果を掴み取ってはいますが支配するというにはほど遠い感じもしますが。さて、ここから実現してくれるんだろうか。
シルバーとして振るう力が強大でも、帝位争いがそれだけで解決するわけでもなく。
かなり厳しい戦いにはなりそうですが、中々楽しめました。シビアな兄と、理想家なところもある弟が、上手く補い合ってて良い関係ですし続きに期待。