「はい。私は鳥です。あなたを立ち木としてこの場に留まります。ですからちゃんと帰って来てくれると嬉しいんです。帰って来てくれないと留まれません。ですから、帰ってきてくださいね? これからもこの場所に」
成果を上げてために、全権大使に任じられたレオナルト。
彼らの精力的には願ったりかなったりの状況ですが、アルノルトも補佐に任じられてしまったのがネックで。
弱小勢力から「看板」がなくなっては、維持するのも一苦労で。そう考えると、フィーネが彼らに助力してくれてるのはかなりの助けになってるんですねぇ。
ただ、荒事には向かず守られる立場であるために、「もっと役に立たなければ」と脅迫観念に駆られているのはいただけない。
アルノルトが気が付いたタイミングで、「もっと自分を大事にしてほしい」とか「君は特別だ」という言葉をしっかりと伝えてくれたのは良かった。
全権大使として船に乗り、目的地に向かう道すがら隣国の船から迂回するように通告されて。
言われた通りに迂回しようとしたものの、突如巻き起こった嵐に巻き込まれる羽目に。
……そのタイミングで、アルノルトがレオナルトの振りをしていたために、ふたりがしばらく入れ替わり生活をする羽目になっていたのには正直笑いました。
アルノルトは結構そつなく入れ替わりをこなしていましたけど、真面目な弟は遊び人な兄の真似ができず四苦八苦してましたし。
SSランクの冒険者として、シルバーが今回も活躍していますが。
冒険者ギルドや帝国の立場というかバランスを維持するべく、かなり苦心してるのが伺えました。力だけでどうにかできるほど容易い状況ではないですよねぇ。
エルナとシルバーが力を合わせれば龍種すら倒せる、と言う意味で武力的には結構突出してる感じがありますけど、それだけで政治動かせるわけではないからな。
そう考えると、武人としての思考が強すぎるゴードンは割と御しやすい候補に思えて来ますが……何を企んでるんでしょうね、彼。