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「いえ、何をするのも自由ですよ。お気になさらず」

 
なろうからの書籍化。WEB既読。
研究者をしていた三十代半ばの男が、実験中の事故により死亡して……異世界に転生していたことに気が付く物語です。

今世の名はレン。孤児の少女で、特殊なスキルを習得してしまったために売られる途中、賊に襲われて馬車が崖から落ちてしまって。その衝撃で記憶を取り戻して、芋づる式に新しいスキルに目覚めたりするんだから、悪いことばかりでもないですけどね。

 

売られる予定だった商人も、孤児院の運営をしてくれてると言えば聞こえはいいですけど、レンみたいな特殊なスキルを確保するための生け簀みたいな扱いしてるっぽかったので、生き延びたのは不幸中の幸いです。

 

少女レンとしての記憶も、三十代おっさんの記憶もありつづ、レンをベースに統合されたものの、男性的な意識も強く残ったせいでチグハグな部分もあります。

ただまぁ、身体的にはどんどん女性的になっていって。自分の身体の反応を確かめたりする場面もあるので……アンタも物好きだねぇというか。あんなスキルを一気にレベルアップさせるんじゃないよ……としか。

 

異世界転生TSチートもの、ではありますが。

彼女の能力、望んだものをMPを対価に作りだせる(複雑すぎると消費が追い付かず失敗する)創造魔法と、容量無制限・収納中は時間停止効果のあるストレージがメインなのと、年若い少女って事もあって、戦闘でビシバシ活躍するというよりは、日常を生き延びる為に工夫するシーンが多いですね。

 

食事にこだわる姿勢は結構好きです。やっぱり生きるのに充実した食生活って必要ですよね……。

レン自身も戦闘が出来ないわけじゃないですし、森で逃走生活してる中親しくなった狼を従魔として登録して一緒に活動してるので、安定性は高い感じですね。ただ、魅力的に育ってるのもあって、トラブルの方がやって来るのが面倒すぎるな……。