「その……えっと……が、がが、頑張り、まひゅっ」
極度のあがり症で人前で上手くしゃべれない少女モニカ。
魔術が存在する世界なんですが、人が魔術をつかうときには長い詠唱が必要で……人前で喋れなくなってしまう彼女は落第生に近かった。
そこでモニカは考えに考えて、前人未到の「無詠唱」という技術を編み出し、魔術師の最高峰である「七賢人」にまで就任。
どうにかあがり症を改善しよう、じゃなくて「喋れなくなるなら、喋らないで魔法を使えるようにしよう」という方向に走って実現してしまう辺りが恐ろしい……。
本人的としては面接で卒倒してしまったせいで、補欠合格したと思っているようです。後に、七賢人の同僚からなるべくしてなったんだ、という発言も出てきますけど。
自分に自信が無くて卑下しがちなので、モニカみてるともどかしくてならない。
ただ書籍化に当たっては、担当さんがモニカを可愛がっていて優しい修正が入ってるとか。作者さんは谷に落すタイプらしく、Webより大変な目に会ってたら『「作者が強行しやがったな」と思ってください』とあとがきで語られていました。今後の展開に期待。
冒頭、七賢人として竜退治に駆り出される場面から始まるんですが、そこのシーンもWEBより加筆されていて最高峰としての実力がハッキリ示されているように思えてとてもよかったですね。
ほかの加筆部分も素敵で、物語としてのまとまりが上がっていてとても面白かったです。
……生徒会関連の問題が増えて、ボロボロでしたけど。会計だけじゃなかったかー、そっかー。
あとはカラー口絵がモニカ主体になっていて、多数のキャラクターは挿絵で登場+ネームプレート表記で分かりやすい構成になってたのは、中々見ないパターンで新鮮でしたねー。
キャラが多いと、口絵部分で集合絵+名前のパターンが多いですけど、この物語はやっぱりモニカが主役なので彼女がカラーイラスト占めてるのは個人的にとても嬉しい。まぁ、周囲のキャラクターも魅力的なので、どんどん彼女の世界を広げていってほしいとも思いますけどね!