「うむ、昂ぶらぬわけもなし。今日に至るまで、他の組も彼らと同じように準備を重ねているのでござろう? どのような策が、技が、魔法が待ち構えるものか。その全てに、我らはどう応じるか――こればかりは、いくら考えても飽き申さぬ」
オリバー達が3年生に進級して。キンバリーでそれだけの時間を重ねれば、カティ・ピート・ガイの剣花団において伸びしろ残していた面々も、それなりの実績を残すことが出来て。
カティはグリフォンに乗せてもらうことが出来てるし、ガイは生育が難しい植物を育て上げ教師に評価されてるし。ピートが血気盛んな新入生を窘める役になってたのは意外でしたが。いや、この3人の成長が見られるのは本当に感慨深いですね……。
そして、校長が景品を釣り上げた決闘リーグが、例年以上に凝ったルールで行われることに。流石に学年の……経験値の差は激しいので、一年生は参加不可、2~3年、4~5年、6~7年の3グループ構成で実施されるとか。
チーム戦形式、予選・本戦・決勝の
教師を殺せる生徒がいるのだろうか、というのを探るためとはいえかなり大掛かりな仕掛けだなぁ……。
父親が企画立案に参加しているので、オリバーやナナオみたいな優勝候補と組むのは憚られる、というシェラは真面目……でもそのおかげで、ステイシーと組めるようになったのは良いな……。
カティ達は3人で組んで、表紙にあるからわかってましたが、オリバーとナナオは転校生のレイクと組むことに。予選を結構サクサク進めつつ、剣花団と2年生の後輩ズの話を盛り込んでくれたのは良かった。
本戦は予選通過者による4チーム乱戦形式で、オリバー達に狙いが集まることになって。カティ達が成長していたように、3年生にもなると曲者が多いなぁという印象。
アンドリューズとかも成長著しくて、入学当初の荒れっぷりが嘘の様ですね。
3年でここまで育つのであれば。キンバリーで6年も7年も生き延びればそりゃ化け物みたいな技量の生徒が出来上がるよなぁ……そんな彼らでも蹴散らせるくらいに、教師が恐ろしいのが示されて。
オリバーの同士たちがエンリコに蹂躙された時も思いましたが、よくも2人も倒したなと言いたくなる実力で、まだまだ道が遠いことを思うと恐ろしい。
そして決闘リーグの裏側で、屍拾いの異名を持つリヴァ―モアが蠢いていて。一体何企んでるんでしょうね。あとがきの最後のアオリ文が好きだなぁ。次も楽しみです。