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「もちろん本気だ。この紋章での付与なんて、たかが知れてるからな。ちゃんとした第一紋……いや栄光紋の熟練付与師なら、魔法の十や二十はまとめて付与できるよな?」

(略)

「いや無理だが」

 

元はなろうからの書籍化ですが、書籍化作業の忙しなさとかの兼ね合いで掲載取り下げされた作品ですね。

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで331日まで。

 

魔法が存在する世界。人々の適正は、手に現れる紋章で区別されていた。

生産向き、威力特化、連射特化、近距離特化の4種類。それぞれに特性があり、生産向きは初期状態のスペックは高いものの成長率が低く、他の3種に抜かれていくとかがあるようで。

 

その生産向きの紋章で、世界最強クラスの実力になった賢者。彼は、外宇宙にいる強大な魔物に挑みたかったが、今のままでは無理だと判断。三つの国を滅ぼした龍を二十七秒で滅ぼしておきながら、ダメだというあたり目標が高すぎる……。

そして紋章を後天的に変更する方法もないため、一度死に生まれ変わる事で紋章を変えようとするチャレンジをすることに。思い切りも良すぎる。

 

転生には成功し、六歳になった時点で前世の記憶を取り戻した主人公でしたが。

しかし、そこに至るまで長い年月が過ぎ去っており……さらには、魔法技術が不自然なほどに衰退していた。

「前世では常識の様に広まっていた知識」も今世では解析されていない命題になってしまって居たり、世知辛い部分はありますが。

 

これ主人公がマティアスなせいで、失われた常識パートと、最強の賢者故にぶっ飛んだ彼の知識という二重のツッコミ要素が登場してて周囲の人々は大変そうですよね。

兄に魔法の才能がありそうだと思った時に「数百年も修行を積めば」と当然のように考えてる辺り、マティアスの知識大分歪だと思うんですよ……。

前世ではボッチだった彼が友人を作ったり、知識を広めて底上げを図ろうとしたりしてるのはいいんじゃないでしょうか。