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「漏えいした情報を聞いた側が事を内密に運ぶために気を遣わなければならないなんて…少し理不尽な気がするな」

 

2つの王家が並び立つ双王国。普段外交を担当していない、付与魔術を扱うシャロワ王家の使節団がやってくるところからスタート。

フランチェスコ王子がアウラに向かって頭を下げたことで、考えないといけない事が増えたりしてましたけど。ゼンジロウ相手に親近感を感じてたりしてて、怪しくはあるんですが。彼の秘密が明らかになる場面までを5巻に納めてくれてたのは読みやすくて良かった。

 

アウラとゼンジロウが、状況を整理する会話を挟んでくれるのでコミカライズから入る人でも分かりやすいんじゃないでしょうか。

うっかり秘中の秘を漏らしちゃうようなのが素だったりするのを、使節団に盛り込んでくる双王国よ……。

まぁ完全な馬鹿でもなく、取り繕うことも出来るし、付与術士としても秀でているのでスペックそのものは高いんですよねぇ彼。

 

巻末の描き下ろしSSは「王族の思いつき、平民の人生」。ガラス職人を育成する事に決めたアウラ。実際、外交用の武器として力を注ぐのは間違ってないんですけど、突然鍛冶師からガラス職人への転向を命じられた平民側の視点なので面白かったですね。

逆らうことの出来ない無茶ぶり。それでも熱を入れているのも居るんだよ、と言うエピソードではありましたが世知辛くもありますねぇ。