ico_grade6_3

「この世界で初めて王都を出ることになるんだ もしかしたら向こうで欲しい物ややりたいことが出来るかもしれない」

フランチェスコ王子が抱えていた事情は、双王国に伝わる両方の血統魔法を扱える、というかなり重要な機密で……。

2つの王家の血を継ぎ、充分な魔力量の在るゼンジロウ達の息子も同様に、二つの魔法を扱える可能性がある、と示された形ですね。もっともカープァ王国が単独で利益を独占しようとしたら、必要な詠唱とか魔力量とかを研究しなくてはならず、数世代の時間がかかるわけで。

 

乳幼児の時から他国との交渉材料になってるカルロス君は、今後が大変そうだなぁとは思いました。優しい父と、賢明な母がいるのでそう悪い事にはならないと思いますけどね。

双王国の使節団の目的にも察しがついてひと段落と言ったところですが、新たな問題が向こうからやってくるんだもんなぁ。王侯貴族は大変だ。

 

技術の秀でた北大陸から貿易のためにやってきた、黄金の木の葉号。それが、カープァ王国の港にやってきて……。

そこに北大陸の国の王族が乗って居るっていうんだから、大騒ぎ。国名を知っている人はいたものの、国交があるわけでもなく。虚偽の可能性を踏まえながらも、あまり無下に扱っては真実だった時に問題になる。

交渉役として補佐がつくとは言え、ゼンジロウが派遣されることになってますし。頭が痛いイベントが続きますね。

 

巻末SSは「宮廷雀達のお喋り」。侍女であるマルグレーテは、後宮で寝泊まりをしているものの、アウラ付きであるために王宮に出ることも珍しくないそうで。その中で情報収集をしている彼女の日常。ちゃんとあちこちに手駒潜り込ませてるよなぁそりゃ。