「わたし、たのしくなってきちゃいました」
「は?」
こんな最高に燃えるシチュエーション、そうそうないよね。
ホラー女優、桐王鶫。彼女の存在は、あちこちに影響を与えていたようで。
つぐみの友達となった珠里阿の母親も、共演した経験があったり、比べられたりして散々だった様子。
一度ついた悪いイメージを払しょくするのは大変だから、と娘に厳しく「いい子」であるように指導したり、良いものを与えていけば良く育つだろうという考えで、効率よく接しすぎていたようで……。
それ故に、珠里阿ちゃんは寂しさを覚えていて。自分が悪い子になってしまった時、錯乱してしまうくらいには、縛られていた。
そんな彼女の問題をつぐみは体当たりで解決してましたが。今度は美海ちゃんとギクシャクしてしまって……と子役たちが抱えている問題が連鎖して向き合っていく展開になるのは上手いと思いました。
ぶつかり合いながらも問題を超えて行って、彼女達は成長していますが……小学生くらいの子たちが対峙するにはどれも重いなぁ、とは思いました。家族とのすれ違い、才能の差などなど。
既に子役として働いている彼女達にたいしての妥協も無いって事で、信頼できる描写ですけどね。
合間にドラマなどの演技パートも入っていて、作品としての魅力が更に深まったように感じる2巻でしたね。
しかし、亡くなって大分時間がたつのに爪痕が残っている辺り、桐王鶫って本人の自覚よりもはるかにレベルの高い女優だったんじゃなかろうか。
天上の四隅に張り付けるとか言ってるし。特に「鶫」の影響を受けてる……と言うか妄信の粋に到達してそうな女優さんからは「CGなしで空を飛べた」とか言われるとか、えぇ……。
母親と過去の縁がある珠里阿ちゃんが女友達3人のなかでも、つぐみのライバル枠になるのかと思っていましたが。そこには凛ちゃんが入ってきそうな雰囲気ですね。
ますます変化していきそうな状況に、続きが楽しみになりました。3巻出て欲しいなぁ。