あの本当の笑顔が どうしても気になって
知りたくて もう一度見てみたくて
気付いたらあたしは 教会の扉を開けていた
オーバーラップノベルスより刊行されてる『フシノカミ』シリーズのコミカライズです。
好きな作品が、好きな絵柄でコミカライズされる事って、幸せですよね……と実感させてくれました。
コミカライズするにあたって、原作の展開を少し入れ替えたりしているのですが、黒杞先生が『フシノカミ』の大ファンだって言うことを公言されているだけあって、組み換え方に無理がなく、読みやすいのが素敵です。
1話冒頭の「本だ。本だった」から始まる描写がとても綺麗で、知識についてしっかりと向き合ってくれてる感じがするのが良いんですよ。
主人公は寒村に生まれた農民の子、アッシュ。彼には前世の記憶らしきものがあり……8歳児でも立派な労働力に数えられる世界が生きにくくてしょうがなかった。
そんな彼が、村長夫人の開いてくれた朗読会で、本によって継承された知識に目を付けて。
文字を覚えるところからスタートしてますが、驚くほどの呑み込みの早さで習得して、今後も本を読めるように契約書まで整えている辺りは強かです。
村長家の一人娘のマイカちゃんも、人を見る目を持っていて……アッシュ君が抱えている絶望を察していたようですが。
夢を見つけた事で生き生きとし始めたアッシュ君に影響されて、苦手な勉強にも向き合い始めるのもいい感じです。その後、夜道で手を繋いで照れてる場面とかも本当に可愛くて……。アッシュ君が本に夢中ですぐ手を離すのに、マイカちゃんの方はもうちょっと惜しんでくれても……! ってなってる所が好き。
アッシュ君の好きなシーンだと、4話で「大勝利」な夢見てるところとか、「いらっしゃいませたんぱく質」してる場面も良いですよね。
巻末にが原作者書き下ろしの「第二次聖戦――勃発」と中々物騒なタイトルですが、アッシュとフォルケのいつも通りのやり取りな感じでしたねぇ。SSだけじゃなくて、黒杞先生描き下ろしのイラストついてたの嬉しかったです。
他にはオマケ漫画もありますが、ぴょんぴょんしてるマイカちゃんと帰宅後の姿のギャップが微笑ましかったです。カバー裏にも描き下ろし漫画が掲載されてて、電子版でも問題なく見られたの嬉しかったですねー。
応援イラストなんかも収録されてましたが、編纂版イラスト担当の大熊先生のマイカちゃんがウィンクしてて可愛かった。