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「うむ、たしかに貴様はレムとセレスを守ったぞ。その戦いは、俺が認めよう……戦士よ、しばし休むがいい。あとのことは、このディアヴロが引き受けた」

 

ファンタジーMMORPGクロスレヴェリの世界で、『魔王』と呼ばれるようなロールプレイをしていた主人公。

装備と実力を伴い、ラスボスらしい演技をしながらも紳士的で相手を楽しませるプレイヤーだったそうですが、ゲーム内カップルを見ると本気で叩き潰す悪癖もあって……。

そんな彼が、クロスレヴェリによく似た世界に、ゲームキャラの姿で召喚されてしまう、という異世界召喚モノですね。

 

彼を召喚したのはエルフと豹人族の少女二人。

即座に召喚獣に隷属の魔法をかけようとしたものの……魔法反射装備を付けていたために、少女たちの方が主人公――ディアブロに隷属させられることに。

ディアブロは良く似ているが違う異世界の情報を求めて、彼女達と行動を共にすることに。

当人に少女達を奴隷のように扱うつもりはなくとも、隷属魔法の結果として二人に首輪が付けられてしまっていること。偏見を持たれやすいディーマンという種族であったこと。

さらに彼は魔術師の中でも、元素舞の使い手ですが……ゲーム内では最強とされていたそれが、この異世界では軽視されやすい存在であること。

 

まぁそんなアレコレが重なって、絡んでくる人も多くいましたが。持ち前のパワーで蹴散らしていくので、分かりやすい。絡んできたガラクとかエルフは頭固かったですけど、女性の味方を公言してるエミールが、やられ役っぽい空気を出していながら、そのポリシーに恥じない意地を見せてくれたのにはちょっと感動した。

 

ゲーム内で召喚術と元素魔術の立場が入れ替わっているのは、ゲームと違い命が一つしかない為、安全に冒険しようという意識が働いているから、ってのも納得できる理由でしたし。サクサク読めましたね。

薄着のキャラが多くて、ディアブロが事故で胸を触ってしまったり、サイズの事を話題に出したりと、お色気要素もありますが……最近だと、1巻で本番しちゃうような作品もあるので、それに比べると思っていたより大人しい作品だったんだな、と思いました。