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「恐怖すれば目が曇る。私は、私を強くしてくれる命を無駄にしない」

 
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで8月31日まで。

乙女ゲーム世界に転生者が居る作品なんですが、主人公は非転生者です。

本来だったらヒロインになるはずの彼女は、貴族令嬢の母と身分違いで結ばれた父の下で温かく育っていた。しかし、魔物災害によって両親を亡くし孤児となり……ゲームにおいては、親族に保護されてヒロインとして活躍することになります。

けれどとある転生者の行動によって、彼女の運命は全く違った方向へと舵を切ります。

 

その転生者は、どうしてもヒロインになりたくて、自分の記憶や知識をヒロインに移し込んでなり替わろうとした。それを回避したかったヒロインの抵抗によって命を失ったわけですが。

この世界が「乙女ゲーム」という作り物だということは、そんな物語のために自分は生まれ、両親も死んだということか、と彼女は激しい怒りを抱き乙女ゲームを否定する人生を歩む事を決意。

本来なら『心から悪い人なんていない。だからあなたは笑って許せる人になりなさい』という両親の教えを守った、心優しいヒロインになったんでしょうね……。

 

ヒロインの名はアーリシア。トラブルを避ける為に、普段はアリアと名乗っている彼女は、幸運な出会いに助けられながら冒険者としての活動を始めます。

高名(らしい)冒険者に、色々と知識と技術を伝授してもらえるのはありがたいですけど、師匠相当のキャラがスパルタ気質な人ばっかりだからなぁ……。アリア的には、強くならなくてはならないので、ありがたい存在のようですけども。

 

ただ貴族の血を引いている孤児、というアリアの事を快く思わず排除しに来るキャラまで出て来て、アリアに優しくないですねぇ……。WEB既読なんですが、彼女は彼女で止まらず敵に容赦しないタイプなので、今後さらに血が流れていくことになります。

苛烈さで好みは別れそうですけど、割り切りの早いアリアのことは結構好きなので、読んでて楽しめました。