「これからも苦労をかけると思うけど」
「ヴェンデリン様と過ごしたこの四年近くはとても楽しかったです。私は苦労だなんて思っていません。これからもきっとそうです」
表紙イラストからも分かる通り、ついにヴェルがヒロイン達と結婚することとなります。
弟の活躍で注目を集めてしまったので、他の兄たちも側室を迎える必要が出て来たりして、結婚式に行って他の貴族と交流する必要が出て来たりして、貴族のお付き合いって大変だなぁ……。
結婚した後は、当然そういうことをするわけですが。そこでヴェルの秘密が明らかになって、早々に打ち明けられない情報を抱え込むことになって。いやぁ、ただでさえ戦力過多っぽいのに、ブースト出来るってのは反則的でしょう。
ヴェルは当主として、家臣たちに出会いの場を与えるべく大お見合い会を開催したししてますが。
エルは重臣扱いの独身で注目の的ではあったものの、先日の失恋騒動のせいで心に傷を負って、平常時のテンションがおかしい事になってる辺り、本当に見てられなかった……。勤務時だけはまともになるって言うのもヤバいよ。
結婚してから二か月後、隣国への使節団への参加を命じられたヴェル達。
新婚旅行も兼ねて訪問しよう、と結構気軽に赴いていましたが……そこで公爵家の女当主のテレーゼに迫られたり、皇帝の死から連鎖したクーデターに巻き込まれたりと散々ですねぇ……。
転移・飛翔といった魔法を封じる魔道具まで用意されていて、すぐに逃げることも出来ず。テレーゼに力を貸しながら脱出を果たしていましたが。状況を弁えていない部下に苦言を呈された時に「邪魔になりました」と切り捨てようと出来る辺り、ヴェルも結構貴族に染まってるなーとは思った。