「久しぶりに面白いものを見たの。あのじゃじゃ馬はバウマイスター伯爵が倒したのだから、そなたが責任を持って娶るがいい」
「やっぱり、そうなりますよね……」
山脈を貫通するトンネルが見つかり、ヴェルの領地とブライヒレーダー辺境伯家とでウハウハになるハズが、地図に記載されていない弱小貴族の領地に繋がってしまったもので、騒ぎが大きくなってしまうことに。
貴族家と言うよりは農家みたいなオイレンベルク家は、大臣や王様と対面するとつい土下座してしまうくらい卑屈で……トンネルを管理・運用するにはあまりにも不向き。
そういうことで、あちこちで相談して利益調整をして話がまとまろうとしていた所に、貴族家の娘で冒険者をしていたカチヤが嘴を突っ込んできて、ややこしくなった、ともいうんですが。
カチヤの冒険者としての活躍が描かれて、スペックが高いことも示されていた感じはしますが。
冒険者と貴族の視点は違うってことをハッキリわからないままツッコんで、最終的にヴェルの嫁になってしまうあたりは、まぁこの作品の予定調和ではありますね。
隠居してヴェルの領地で悠々自適に過ごしているテレーゼの指摘が正しく、そうしていればここまでこじれなかったのになぁとなる1巻。