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「さすがだ……魔法使い」

(略)

「恐るべき非常識……!」

 

クーア・キングダムが駅爆発に巻き込まれ、総帥・副総帥ともに死亡。息子だけは奇跡的に助かった、というシナリオでジャスミンの敵、クーア財閥幹部の五人が声明を発表。

それによって敵の姿が明確になって……ここで、実は私達は生きていた、と名乗りを上げるのは簡単だけれど、息子の命を人質に財閥を要求して来ることなどが考えられて。

秘密裏に奪還するための作戦を考え、ジンジャーや連邦主席のマヌエルまでも巻き込んで、大規模な「映画撮影」という建前で敵を呼び寄せるのが面白いですね。

 

前回の一件から保護していたクライストをアレンジャーとしてこき使うことにしたり。

ジャスミンがゼウスをたらしこんでいることを有効活用したり……ケリーはケリーで知り合いの海賊に声をかけて戦力にしてるのが面白い。ジャスミンが「エキストラ」呼びするのが本当に好きなんですよねぇ。

 

この巻は愉快なシーンが多いんですけど、先代財閥トップのマックスが作ったクーア・キングダムに仕込んでいた「悪戯」もかなり笑えますよね。事情を知っていなかった面々が絶句したのも頷ける。

それを活用するための手段をケリーとダイアナが用意する事になっていましたが、それがウィノア近郊の門を活用するってものだったので、4巻で過去のエピソードが出てきたのこれに繋げるための伏線だったのか……という感じで驚き。

 

無事に奪還したあとのエピソードも描かれていましたが……ジャスミンもケリーも、歯に衣着せないタイプなのに、肝心な言葉は告げてないんだもんなぁ、全く。今度は捕まえて見せると決意したケリーが好きです。