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「それは、そうですけれど……。だって、わたくしが希望を述べてしまったら命令になるではありませんか」

(略)

「相手を尊重するのも大事ですけれど、貴女が自分の希望を伝えることも大事なことですよ。(後略)」

 

プロローグはフロレンツィア視点。ローゼマインがツェント候補であることに驚き、自分の子供達にも影響が大きく出ることを懸念して……領主夫人だなぁ、という感じの視点ではありましたが。

ヴィルフリートの抱えている問題は把握していたけれど、粛清の影響で側近が減っているのもあって、そっちに回せる人材が無かったという問題もあるようです。

 

「間が悪い」と言っていますが、本当に悪い方に色々重なったな、というのはあります。遠ざけたハズのオズヴァルトと連絡を取り合ってたりするヴィルフリートの迂闊さは彼の問題だからな……。

彼女としてはローゼマインの教育の不足を補いたかったけれど、城に来る機会が少なかったためままならず。エルヴィーラから教育を受けてはいると思うけど……と考えていましたが、エルヴィーラはエルヴィーラで最後のセーフティネットになればいいと距離を測っていた部分もあったそうなので、母親たちの思っているよりも教育、足りてない部分ありますよね……と読者視点でツッコミたくなった。相談、大事。

 

王の養女になる話は、領主候補生と影響を受けるローゼマインの側近など一部にしか伝えられませんでしたが。移動のために与えられた一年の猶予で引き継ぎと準備を済ませることに。

一年でさえ覚えることが多くて大変だという声が出ているのに、王族が最初にその猶予すら用意しようとしてなかった分、評価が辛くなりますよね。

 

ヴィルフリートは、婚約解消に関する問題で怒りをあらわにする場面もありましたが。兄と妹としてならローゼマインとの付き合いも続けられるだろう、と妥協してくれたのはまだよかった。

子供たちのお茶会で仲間はずれでぐぬぬってなってるローゼマインは面白かったですね。

他に笑ったシーンだと、ボニファティウスへのオルドナンツを要求するマティアスとユーディットの護衛騎士たちとか。ローゼマインがリーゼレータを口説くシーンとか好きですね。

                                                                                                               

エピローグが領地を移動する話を聞いたルッツの話。婚約者になったトゥーリとの会話が、変化を感じてよかったですね。今度は成長していて、親ともしっかり話せたのはなにより。

ディートリンデ視点の「ランツェナーヴェの使者」は、頭が痛くなる話でしたね……傀儡にしやすそうな子だ……。

 

「わたくしの希望と問題点」はリーゼレータ視点のエピソードで、婚約者のトルステンから無理な要求を押し付けられていて困惑していたとかで、解消できてよかったと正直思いました。ローゼマインに口説かせる前に、しっかり根回ししてるエルヴィーラは流石です。

「騒動の事情聴取」はジルヴェスター視点の、アウブ・アーレンスバッハの葬儀で起きた騎士の暴走に関して、王族から話を聞かれる話でしたが……。暴走したの、エーレンフェスト出身だったとは、なるほど。ジルヴェスターの勘が当たってるんだろうな、というのと、王族の無遠慮さがまた垣間見えて頭痛くなりました。