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「人は鬼程強くはないし、長く生きることはできひん。そやけど僕らは不滅や」
(略)
「お、その顔、そうは思えんって感じやな。ほんならええよ。僕が人のしぶとさを証明したるわ」
さらに時は流れて。野茉莉が思春期になったからか微妙に甚夜と距離がある感じに。
甚夜の方も対応を測りかねて、対応に苦慮しまくっているのは、不器用な部分のある彼らしいなぁと思いましたが。
野茉莉も決して父親の事が嫌いになった訳では無くて、だけど思ったように振る舞えず悩む羽目になって。
……表題の「夏宵蜃気楼」のエピソードで、彼女は長い夢を見て。それによって抱えていた蟠りも解けることになったのは何よりでした。
福良雀と蛤の話がこうやってつながってくるの、いいですよねぇ。長い時代を描いている作品ならではの味わいがあって好き。
甚夜の鬼狩りに関しても、地縛との決着や向日葵たちが甚夜を「おじさま」と呼ぶ理由が判明したり、かなり面白かったですね。
シリアスばっかりじゃなくて「余談・鬼人の暇」の昼で描かれていた「あんぱん」の話みたいに、微笑ましい話もあるのが素敵。
娘と過ごす時間を作るために表向きの本業である蕎麦屋を休みにしてしまう甚夜の親バカっぷりも好き。
野茉莉に想いを寄せてる染五郎の弟子、平吉くんがこんな逞しい父親に自分を認めさせないと行けなくて呆然としてたのにも笑ってしまった。
でも「四代目は平吉以外認めない」と甚夜に言わせるくらいには、認められてもいるんですけどね。鬼と退魔でありながら、良い関係を気付けているのが好きなんですよ。