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「おれには縁がないが、宗教ってのはそういうものなんだろう? この学校に入った時、真っ先に他人の価値感は尊重しなければならないと教わった。宇宙には様々な価値観の人がいるのだから、自分の価値観を押し付けてはならないとな。その考え方は立派だと思うし、共感できる。だから、おれはその教え通りにしただけだ」
リィ達が『嘆きのサイレン』でクレイドを訪れたように。学生は活動の単位も取らなくてはならなくて。簡単なキャンプに参加するのを決めたリィとシェラ。そこには寮長のハンスや、ダンの息子であるジェームズなんかも居て。
リィとシェラからすれば遊びに行くようなものなのに、単位までついてくる美味しい授業のはずだったのに……。
十二人の学生は、宇宙船で惑星に下りたった後に様々な困難に遭遇することになります。
宇宙船の運転手たちは別人に入れ替わっていて、辿り着いたのは本来の惑星ではなく……通信機はあるものの拾える電波も無い。割と規模の大きい誘拐事件となってますな。
さらに授業の名目で食料まで取り上げられて……野外活動になれていない学生たちだけでそんな状況に放り出されたら、何人かは命を落としていたでしょう。
というか、洞窟の一件を思えば遭難数日目にして全員死亡もありえたわけです。
……これ、誘拐犯が望んでいた「標的が名乗り出れば、場所を教えるつもりだった」という最善ルートに乗っていても、捜索チームが辿り着いた時点で死体しか見つからなかった可能性すらありますね……。
実際には、リィとシェラが居た事で、彼らは生きていくのに必要な食糧など様々な恩恵を受けることが出来ていましたが。
宗教上の理由で野生の肉を食べられない生徒がいたり、リィの言うことを聞けず怪我させてしまう子が出たり、とリィ達を以てしても子供達の相手は一筋縄ではいかない状況でしたが。
子供が誘拐された親も、心穏やかではなく……ダンやジャスミンがルゥの占いに頼ろうとしてしまう辺り、困惑が窺える。
それでも徒に能力を使おうとしない、正確には使えずにもどかしい想いをしていたルゥの事を思うと、心が痛む。
最終的には全員が生還していましたが、その後リィが他の生徒からとある被害を訴えられる自体が起きたりして、なんともややこしい。
ファビエンヌが原告弁護人相手に食いついたり、リィにしっかりと主張しなさい! と言ってくれた場面、好きですねー。
後は最低でもリィに命を救われたのと同じ回数報いろと言うダンとか、息子のために行動してくれたアーサーとか、いいキャラが多すぎる。
裏側でてんやわんやになってた連邦の事も、嫌いじゃないですよ。「それを証明して」というルゥの要求が、重かった……。