「へええ? おまえもまあ、開き直ったもんだな」
「……以前のままの私と思うな」
デルフィニア戦記後を描くシリーズ。リィはシェラを連れて元の世界に帰還した。
あちらでは何年も経っていたけれど、こちら側では十日程度の時間しか流れておらず、肉体年齢を若返らせる処置とかをした上で、ドレステッド・ホールを訪問。
そこにはリィの産みの親と、彼の兄弟姉妹が住んでいた。母親のマーガレットは、リィの特殊性を察していて、ルゥにあげたそうですけど。
父親のヴァレンタイン卿は、リィとの距離を測りかねている部分がある模様。……なんだかんだ寛容な部分もありますよね。
魔法はオカルト扱い。一般市民が戦闘に関与する事はほとんどなく、科学技術が発展した世界。
シェラはこの世界の常識が何一つ分からない状態で、ルゥが異世界から拾ってきたとは言えないために、それらしい経歴を偽装して、リィの父親に後見人になってもらう流れになっていました。
最低限の学習を終えた後、リィとシェラは連邦大学の中等部に入学することになって。
シェラから情報を引き出そうとダン船長やヘッケル女医なんかがカウンセリングをしてましたが。それで故郷が分かるはずもないんですよねぇ。
ヴァンツァーも蘇生させられて、別の学校通っていたようですが。シェラはどうにも顔を合わせにくい気分だったみたいです。
ただそれも、リィの中で眠っていたレティシアという爆弾が起動したことで、否応なく対面することになって、最終的には丸く収まったんではないでしょうか。
警備の方とか、信じがたいものを見たダンやヘッケルに関しては、徒労に終わるカウンセリングの末のアレだからなぁ……お疲れ様です、本当に。
リィとシェラが「男子」であることに驚く一般学生たちのリアクションとかが笑えて好きです。