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「おまえが、どうして生まれてきたかは知らない」

「…………」

「それでも、ここがお前の家だ。ぼくがおまえの父親なんだ。それだけは忘れないでくれ」

 

シェラがこの世界に馴染むための一環として、遊園地に行った時のエピソードからスタート。

実際に動く船や戦士を知っていると、あまりにもおかしく感じられる「作り物」。あとは遊園地でしか食べられない「ブランド化」された食品とか。シェラにとっては違和感だらけ。

これまでの常識が通じない世界で、困惑しながらも学び続けているシェラは本当に真面目だと思います。

 

ルゥがリィに打ち明けていない、彼の中で眠り続けている魂の話とか。

リィの育ての親であるアマロックに関する情報と、彼の妻に会いに行ったヴァレンタイン卿のこととか。

ボンジュイに残して来た聖霊たちの話と、ラー一族の伝承の話を聞いたり。シェラだけが打ち明けられている情報なんかもあって、新鮮でしたねー。

 

……ヴァレンタイン卿は、家族にも内緒でシルヴィに会いに行ってましたが。リィはそれを察していたり、「父さん」と呼べないことを謝罪したり、不器用なこの二人の関係も好きなんですよねー。

心配しながらも送り出した息子が五日で騒動を巻き起こしてたり、彼の胃が心配になる。

元王妃とファロット一族が3人、この世界の常識を語りつつ一般市民を目指そうという指針を共有してはいましたが。シェラがレティシアを警戒して威嚇しまくってる雰囲気出してるの、微笑ましく見えますねぇ。

 

ダンがラー一族のデモンから、特異能力者としてのリィが過去にどんな目にあったかの話を聞いたり。息子を育ててくれた「天使」相手に複雑な感情を持っているところを、親族にどうして結婚しなかったとか追及されたり。

そんな困惑しきった所に、祖父がジャスミンに関しての話を持ち込んでくるんだから、彼は彼で波乱万丈な人生を送ってる感じがしますよねー。

根が常識人に寄りすぎてて、怪獣夫妻のような安定感がなく流れに巻き込まれてばっかりの様にも思いますが。