「いいことだぜ。――で、どれを買うんだ?」
「パピヨンルージュ一点買いだ」
遠出がしたくなったケリーとジャスミン。
しかしそのタイミングでダイアナが、機体を改造したいと言ってきて。でも、遠出したい欲求には逆らえず、門を跳べる宇宙船を借りてそれぞれの目的のため別行動することに。
そこでまた、通常90~100でしか飛べないと言われてる門の安定度を85の時点で跳んだから、変な輩に目を付けられることになって。
『スカーレット・ウィザード』で50切ってる状態で跳んでるのを読者は知ってるから、85程度なら、まぁそんなものかーって思えますけど。ショウドライブへの変遷を知ってるダンをして「跳ぶなそんなもの」ってレベルなのか。
ダイアナさえいれば跳躍直後に襲われようが対処できたでしょうけど、代替機ではそんな真似は出来ず。
門を使った密輸が横行してるとかで、国境警備隊に事情聴取を受けることになって。
さらに目的地が、有重力圏内で機体を使ったレースを行っている惑星だったため、クインビーを一時預かって検査したいとまで言ってきて。
まぁ、今は一般市民(こんな市民が居てたまるかレベルですが)なので、最終的にはそれに同意したものの、それを盗難される自体まで起きてしまって。
序盤の聴取を受けているシーンとか、二人は真面目に答えているけどそれが常識はずれなものだから困惑してる国境警備隊の方々のリアクションは面白かったですけど。うっかりで機体盗まれたら堪りませんよね……。
捜査で取り戻す、という正攻法には期待できない為、ジャスミンは取り戻すために別の方法を取ったわけですが。キャニオンレースで名を広めようとする彼女の疾走ぶりは見ものでした。
賭け事にもなっているため、ダンとかしれっと儲けてましたしね……そりゃあジャスミンはそうそう負けないわ。
かつてのケリーみたいに目的とした相手を力ずくで連れてきたりとか、ボンクラ御曹司を徹底的に叩いたりとか、ジャスミンが格好良くて見応えのある1冊でした。