「だから、何をするつもりなんだ?」
「おれの絵を取り戻す」
ルゥにはかつて、あちこちの時間を飛び回った時期があり……300年前に死んだドミニクという画家とも出会っていた。
ドミニクはルゥを描いた絵に「暁の天使」というタイトルを付けて、リィに託すという遺言を残した。その当時は、リィもルゥも生きていない時期で、絵は美術館に寄贈されることとなった。
所蔵したがった好事家は多くいたが、何人も死んでしまったために呪いが掛かってるなんて噂が流れるほどの、文化財。
たまたま美術館を訪れて、その絵が相棒を描いたものであり自分に当てられたものだと気が付いたリィは、それを入手できないものかと画策を始めますが。
連邦の代表でもクーアの総帥でも、正攻法で入手できるようなものでもなく。どうしたものかと思っていたら、リィの関与しない形で盗難事件が発生。
関係者の胃は痛かっただろうなぁ、と思います。特に警察が合いに来たアーサーの心中を思うと……。
自分の絵だと思ってるのもあって、リィが結構本気で調査していて、警察に先んじて大体の答えに辿り着いているのには笑いました。
どうやって絵を美術館から運び出したのか。誰が描いたのかとか色々。隣にひが居るし、ケリー達の助力まで得られるのは反則的ですよねぇ。
ただ中学生である、というのもあって万能ではないんですよね。保護者が居ないと怪しまれるし。「お父さん」呼びされてウキウキ協力しちゃってるアーサーには笑いましたが。
手段を選ばない相手に対して、匂わせた行動をとって危険な目にあってるのは良くないというか。
初回はリィ達の予想を超えて敵が早かったのはありますが、二回目は迂闊だったと言いたくなるな。
……一番迂闊なのは、偽造に気付けなかった美術館関係者の方々な気もしますが……一目でルゥかそれ以外かで見抜くリィの目が特殊なんだよなぁ……。
最終的には収まるところに収まってくれてなによりでした。