「そっちの方は任させたぞ」
少しの間の後。
『お任せください。私にできる最善を尽くします』
課外授業は学院側がチームを組ませて、監督役の先輩を配置する形で行われて。
仮面をつけたアルスが高レートの魔物を削って、ロキが応援部隊の指示だしを担当するバックアップ体制も整えられていましたが。
手っ取り早く順位を上げる為には魔物との実戦経験が必要だ、と言うことで……利益に目がくらんだ監督役とかが出てくるんだから、どうしようもないというか。
アルスへの負担が大きすぎるような、暴走する学生が出る辺りこういう施策を実行するのも今後の参考になるという意味では、間違っては無かったともいえるのかな。
テスフィアのチームの先輩が欲に駆られて危険地帯に踏み込んで、後輩まで巻き込んでしまった上、再起不能の傷を負う形になったわけで。
絶体絶命の状況にあって抗う気概を示したテスフィアの株はちょっと上がったけれど、身の丈に合わない魔法を、「すぐに教えて」と迫る辺りとか、まだまだ苦手だなぁ……。
混乱してる状態だって言うのを差っ引いても、状況を考えろ……って言いたくなる。
その後の試験で座学がヤバいとか言ってる辺り、磨く部分まだあるのに高望みしすぎるの良くないと思ってしまう。
学内の問題がひとまず決着した後、軍から危険な研究をした輩への対処を命じられて。
人体実験までやってて、表に出せないから秘密裏に対処する必要がある。その為に動かすコマとして、アルスは適切なんでしょうけど。ロキが憤りを示してくれたのは良かったとも思います。
ま、そういう指示が来るのをアルスは承知の上ではありましたが。その実験にかつてのアリスが巻き込まれていた、というのも因果でしたよね……。