「きみはなかなか……おもしろい人ですね」
「警部さんには負けると思いますけど」
『追憶のカレン』ではシェラが行方不明になりましたが。今回はリィが誘拐される話です。
……どっちもこの一文だけ見ると嘘だ! と言いたくなる感じですね。
カレンの家族に、いったいなぜ彼女は嘘をついて家を出て死んでしまったのか。その説明のために赴いたシェラとルゥ。リィは眩しすぎるから、と外で待っていたようですが。
そこで誘拐犯に遭遇して。
家族のところに「誘拐した」って連絡が入ってましたけど。アーサー、リィが攫われたとは夢にも思わず、チェルシーの安全確保に動いていたのは、正直笑った。ベルトランの家族が誰もリィに危険が迫ってると思ってないのも、読者的には納得しかない。警察は困惑してたみたいですけどね。
そもそもリィを攫ったのも、人違いだって言うんだからどうしようもない。
恩人の娘と連絡が取れなくなり、犯人側からの要求を果たすための交渉材料として誘拐をしようとしたみたいですが……行動指針がバグってるんだよなぁ。リィに常識を説かれるって相当ですよ。
実際のところ、要求してきた設計図が欲しかったのではなく、リィを誘拐したミックを犯罪者として確保するのが目的だったようですけど。
大山鳴動して鼠一匹どころか、鼠はいなかったってオチになるのは、誰も幸せにならないオチだったなぁ。無能呼ばわりされた黒幕側のタッカーが、ルゥとリィを巻き込んだことで脂汗かく羽目になっていたのはスカッとしました。ざまぁみろ。