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「一つと言わず、きみからならいくらでも借りるぞ。もちろん後で何倍にもして返すからな」

 

惑星バラムンディでバカンス中のケリーとジャスミン。

二人が気ままに過ごしていた所、地元の有力者ラロッシュのその一人娘オディールにちょっかいを出されることに。

この二人相手に、ハニートラップやらなんやら仕掛けようってのは、あまりにも無理があるというか。オディールの友人を自称する男三人がジャスミンに迫って、返り討ちにあってましたしね。

 

その後、嫌がらせとしてこの星に居ない筈の毒持ちサソリとかヘビとか蜘蛛とかカニがレンタカーにぶちこまれる事態にもなってましたが……。

毒のある部位でなければ美味だから、と嬉々としてバーベキューの素材にしてる辺りこの二人に嫌がらせするの、本当に難しいですよね。

この程度だったら気にも止めないけど、下手に刺激しすぎたら怪獣2匹が大暴れするわけですし。

 

今回の敵役になるラロッシュ氏は、あまりにも小物でしばらくあしらわれる羽目になってましたが、ザマーミロとしか。宇宙暮らしの風来坊二人とクーア夫妻を侮ったラロッシュが悪い。

ラロッシュをからかいたかったわけではなく、その一人娘であるオディールの歪んだ在り方が気がかりだったジャスミンが、彼女と交流するためのネタとして使われてたわけですが。

 

釣るための餌に、リィに譲った個人所有の惑星ヴェロニカを持ち出すんだから鬼というか。必然的にリィまで巻き込まれて、また攫われてるの笑っちゃった。

ダン達ピグマリオンの乗組員まで巻き込む、予想以上の大捕り物にもなっていましたが……。ピグマリオンの操縦士トランクが拉致されたこと。ケリーの船であるダイアナが一時離脱していたこと。

条件が重なって、ダンの船の操縦をケリーが一時担当するなんて夢のような光景が見られて、シリーズの読者としては感無量でしたね。

心を縛られていたオディールが、解放されたのは本当に良かったですけど……オチがかなりコミカルになってて愉快でした。ちゃんとそこに挿絵おいてる辺りもグッド。