ico_grade6_4

「それでも、私達はそのアキラの強さのおかげで安心して暮らせています。その強さに助けてもらっています。それは知っていてください」

 

スラム街の徒党。

シェリル達もアキラと言う後ろ盾があることと、シェリルが外向けの「お嬢様の仮面」を完璧に被っている事で、順調に勢力を拡張していますけど……アキラの苛烈さも知れ渡っているために、幹部候補が育ってないとか。

……そんな状態でも他の徒党と商人を巻き込んだ遺物の販売業を行えそうだっていうんだから、トップの強さがうかがえる。

 

小さな徒党もあればより規模の大きい、都市に影響力すら持ちうるファミリーもあって。

2大ファミリーの抗争が起きそうな状態で、どちらの組織もあちこちから金をあつめて兵器を揃えているところだとか。

最後の一押しをするために、シェリル達の徒党が抱えている遺物に目をつけて、圧をかけてくることになって。

 

組織の柵があるとはいえ、アキラは自分が軽視されててキレてる辺り、まだまだ青い部分があるというか。こういう部分があるからシェリルの配下から恐れられてるんだろうなぁ……。

 

ドランカム側も一枚岩じゃないというか、カツヤの力量とその指揮下にあるメンバーの伸びが凄い反面、動きについていけないメンバーも出てきていて。

長い付き合いだけど連携がかみ合わず悩みを得ているユミナが、諍いの俎上に上がりそう。Aチームに合流した元Bチームからも蔑視の対象になっている辺り、組織の面倒臭さが出てませんか……? 旗印のカツヤは足元の不穏さに気付いてないし。

まぁカツヤも「幽霊」の干渉を受けている部分あるから、全部が全部彼のせいでもないですけども。

 

一連の騒動は怪しい情報屋のヴィオラが裏で画策していましたが、彼女の主義主張以外にも都市側の思惑までも加味しての行動だったのはちょっと意外ではあった。それだけ頭の痛い問題ではあったんだろうけども。なんでこんな劇物をコマにするんだ……。

まぁヤナギサワがネリアとかいう元テロリスト配下にしたりしてるし、清濁併せ呑むどころかある程度汚い手段も使えないと、組織の上層部で動けないでしょうけどね。

 

「俺達を巻き込んだか?」というヴィオラへのアキラの問いかけが怖いんだよなぁ。

躊躇いなく打てる主人公の危うさを感じるけど……終始一貫してるブレない主人公ではあるので、その辺り信頼できるとも思ってるんですよね。敵には容赦しない。

この場合ヴィオラも最悪撃たれる覚悟はしていたというか、備えをしてたからある意味イーブンなのでは……?

 

巻末の予告によると、6巻は上下巻同時発売予定で、幽霊の影響を受けているアキラとカツヤの対決が避けられないのか!? 的なアオリ文がついてるので来年の発売を楽しみにしています。