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「――来たか。ドイル・フォン・アギニス」

「ああ」

(略)

「決着を付けよう。マリス」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

シリーズ完結巻。ドイルはマリスと同族であるエラトマと対峙して、転移で分断されたレオ先輩たちとシオンがゼノスとぶつかることになっていましたが。

サナが自ら封印した記憶を取り戻し、周囲の気遣いも理解し、過去と向き合えたのは良かったですね。

 

道を阻むエラトマを排除して、竜が進軍を開始した原因となる病の治療薬、その原料を確保した上で戻るドイル。

しかし病は待ってくれず……想定よりも先に状況が悪化したらしく戦端が開かれてしまったり、向かう道中では勇者の逆概念である魔王マリスと戦う羽目になったりしてましたが。

 

マリスが何を思ってこれだけの騒動をおこしたのか。

力と才能があって、望まれなかったが故の葛藤からというのはなんとも。それに巻き込まれた人々からするとたまったものではないでしょうけど。

彼からすれば、譲れない理由だったんだろうなぁ。ドイルがその挑戦を受けたのも、納得は出来ます。ここで止めない事には、止まれないでしょうし。

ここでマリスの遺したものを回収していたことが、ユリアの一族が抱えていた問題を解決する事に繋がるわけですし、何が幸いに転ずるか分かりませんな。

ドイルの尽力によって、多くの種族が手を取る未来への道のりも見えましたし、良い決着だったのではないでしょうか。