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「本当に、何も要りません――スカルファロット様は、自分がいることで友人が困るから去るときや、友人に関係を断ちたいと言われたとき、代価をお求めになりますか?」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

オズヴァルドが思った以上にいい先生してくれてて、なんとういうかほっとしますねー。彼は彼でかつて妻と弟子に逃げられていたり、失敗談にも事欠かないわけですけど。冒険者ギルドの、かつてダリヤに噛みついた素材班のジャン相手に助言をしていたりして、それによって丸く収まった話もあるわけで、悪いばかりでもないか。

 

ダリヤが魔導具師としての知識を増やしている一方、ヴォルフはかつて母が納めていたような護衛・対人戦闘の技能も磨いていきたいと決意して。

兄と相談して彼の護衛と戦闘訓練を重ねることに。少しずつそういう対話が出来るようになったのは良い事ですかね。

その後、グイードは弟に近づくダリヤに妙なひもが付いていないかどうか、一対一で会うことで判断しようと、彼女を呼び出してもいましたが。自立したダリヤが、しっかり意思表明をして認められたのは喜ばしい。

 

スライム養殖場を視察して、スライムにハマってる女性と盛り上がってたのは面白かったですねー。魔導具になると似たような部分のあるダリヤの同類は意外と多いのか。

魔物討伐部隊の中でダリヤの株が上がっていて、ヴォルフが彼女の欲しがってる素材が取れるといった魔物相手に生き生きと当たる隊員たちが頼もしくて笑った。

 

巻末は、魔導ランタンの飾りに関するカルロ視点のエピソード。

オズヴァルドとの出会いとかを含む学生時代の話で、彼の父親は魔力は高くなくとも繊細な魔力制御を得意としていて……特訓でそれを目指した彼は、弟子にも同水準(一般には恐ろしく高いレベル)の技量を求めた、というのは愉快な話でした。