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「いいか、海賊。わたしを愛しているからだなんて言うなよ。今度こそ顔の形を変えてやるからな」

「どこまでも薄情な女房だぜ」

 

ルゥの力でケリーが蘇り、ジャスミンも目覚めた。

そして女王がダイアナを目覚めさせたことで、かつてケリーが願った再会までの道筋は整い始めましたが……未だにケリーは敵の基地の中。

それでも平然としているというか、総帥時代の積み重ねでむしろ黒幕側に冷や汗かかせているのはお見事としか言うほかない。

 

ヴェラーレンに、実は昔娘さんに味方したころあるんだよ、って通信で暴露するシーンとか。その後対面したとき、どっしりソファーに座ってるシーンとか、ケリーの強かさが感じられて好きです。

そうやって圧される場面がありながらも、自分の願いのために引きことは出来ない、とプラント技術の提供を求めましたが……そもそも渡しても意味がない、と

 

オマケに女王様のためにしっかりクインビーを整備した状態で遺しておくんだから、抜かりないですよね。

さすがに探知機能最新兵器は安全性重視になったせいで、昔に比べてパイロットの腕が落ちている、と。かつて共和宇宙一だった「あかいひこうき」が自由に飛ぶ姿を見られるのは読者的にも嬉しい場面ですね。あの映画撮影を覚えている人員が、この場所に居合わせたのも運命的というか。

 

ルゥの能力でそれらの場面をのぞき見していたリィ達ですけど、ダンの困惑はいかほどだったろうか。

思わずルゥに当てにしてはいけない力を頼ろうとするくらい、か。あれは母親が関わっていたからと言うのもあるでしょうけど、意外な展開ではありましたね。ジャスミンがしっかり相手を見抜いたのはお見事でした。母は強し。……いろんな意味で。

あと、ジャスミンがルゥに息子夫婦に恩義があると聞いた後、しっかりと礼を言う場面も好きです。

 

怪獣夫婦が再会を果たして、お互いにいえなかった事を告げて。これで大団円かと思いきや、最後にルゥが暴走を始めてしまったわけですが。最後の一文で理由もわかるから、連邦、なにやってるの!? と初めて読んだ時でも慄いたものですね……。